音楽配信代行サービス(ディストリビューター)についてまとめました。
国内6社・海外8社の14社それぞれの料金、AI生成楽曲の受付条件、権利の扱い、解約したあと配信がどうなるかを並べています。判断の根拠にした規約や配信契約のページにリンクしています。
どのツールで曲を作るかは音楽生成AI一覧71選と商用利用にまとめています。
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音楽配信代行サービス(ディストリビューター)とは?
SpotifyやApple Musicに、自分で音源をアップロードすることはできません。Spotifyの公式ヘルプには「Work with a distributor to get your music on Spotify.」とあり、ディストリビューター経由が前提だと明記されています。
Apple MusicのFAQも「Distributors must follow specific guidelines to deliver your music.」という書き方で、配信会社が間に入る構造を前提にしています。
そこに入るのがディストリビューター、日本語でいう音楽配信代行サービスです。
やっていることは大きく以下の3つです。
- ストアへの納品。音源とジャケット、メタデータを各ストアの仕様に合わせて送ります。数百のストアと個別に契約する手間を、1社にまとめられます。
- 識別番号の付与。ISRCとUPCという2種類のコードを発行、または他社から引き継ぎます。
- 収益の回収と分配。ストアから支払われた金額を受け取り、手数料を引いてアーティストに渡します。この記事で「還元率」と呼んでいるのは、この取り分のことです。
料金は4つの型に分かれる
14社を並べると、金額の大小より先に課金の型が4つに分かれます。
- 定額で安め:TuneCore Japanの定額(年4,400円〜)、DistroKid(年US$24.99〜)、Amuse(年US$23.99〜)、Ditto Music(年US$19〜)、LANDR(Basic年US$24)、SoundOn Core(年US$30相当)、narasuの月額(月110円・月15曲まで)。曲数が増えるほど1曲あたりが安くなります。
- 作品ごとに払う:CD Baby(買い切り シングルUS$9.99、アルバムUS$14.99)、narasuの買い切り(シングル2,860円、アルバム5,500円)、TuneCore Japanの作品単位(シングル年1,551円)、RouteNote Premium(初年度シングルUS$10、翌年以降は1作品年US$9.99)。出す曲が少ないうちはこちらが安く付きます。
- 無料から始められる:BIG UP!(無料/有料はシングル年500円〜)、RouteNote Free、SoundOn Lite。初期費用ゼロで試せるかわりに、還元率が下がります。
- 固定費なしで収益から差し引き:FRIENDSHIP.(収益の15%)。年額も作品ごとの課金もありません。ただしキュレーターの審査があります。
CD Babyは買い切りだけ、FRIENDSHIP.は差し引きだけですが、TuneCore Japan、narasu、RouteNoteは2つの型を持っていて、申し込み時にどちらかを選びます。ZULA、KARENT、The Orchardは個別契約で料金が公開されていないため、初めての1社目には向きません。
ただし型を決めても、まだ絞りきれません。同じ年額型でも、解約したあとに曲が残るかどうかは会社ごとに違います。次はそこを分けて見ていきます。
この記事で言う「権利」
配信代行を選ぶとき、権利まわりで確認することは3つあります。
- 権利の帰属:著作権と原盤権を誰が持つのか。ディストリビューターが権利そのものを取得するのか、取らないのか。
- 許諾の範囲:権利を取らない場合でも、配信のためにどこまでの利用許諾を渡すことになるのか。二次的著作物の作成や多段階のサブライセンスまで含む会社もあります。
- 独占か非独占か:同じ音源を他社からも配信できるか。映像やゲームへのライセンス(同期利用)を自分で進められるか。
権利100%保持を掲げているサービスはたくさんあります。DistroKidは配信契約に「DISTROKID DOESN’T TAKE ANY COPYRIGHT OR OTHER INTEREST IN ANY OF YOUR MUSIC, ONLY A LIMITED LICENSE TO DISTRIBUTE.」と大文字で書いていますし、Ditto MusicもLANDRも100%保持と案内しています。
それでも、解約すればSpotifyやApple Musicから曲は消えます。
権利を持っていることと、ストアに曲が並び続けることは、別の条件で決まるためです。
権利があるのは「別の会社を通して出し直せる」という意味であって、「放っておいても残る」という意味ではありません。DistroKidが分かりやすくて、権利は取得しないと明記したうえで、解約後も配信を残すにはLeave a Legacyという有料オプションが要ると案内しています。
権利保持と配信継続が、はっきり別料金で分かれています。
有料更新を止めること、無料プランに移ること、配信契約を終わらせること、アカウントを消すこと。この4つはそれぞれ別の手続きです。
無料プランに移行しただけなら、配信契約は継続となります。
国内サービス6選
TuneCore Japan

公式サイト:https://www.tunecore.co.jp/
国内でいちばん名前が挙がるサービスで、料金は定額プランが年4,400円から。作品単位の課金も選べて、シングルが年1,551円、アルバムが年5,225円からです。定額プランならリリース数は無制限ですが、最安プランは1名義・1作品あたり最大5曲という制限が付きます。配信収益は100%還元です。
AI生成楽曲については、100%AI生成は要件を満たさないという方針が公開されています。注意したいのは、プロンプトを入力しただけの場合も100%AI生成に含む、と明示されている点です。人間による創作的表現があるかどうかと、学習データを含む権利面の要件。この2つで判断されます。
Unlimitedプランを更新しなかった場合、期間満了の時点で対象リリースの配信が停止します。年額を払い続ける前提のサービスだと考えておくのが安全です。
権利:アーティストが権利を100%保持すると案内されています。ここに例外がひとつあって、著作権管理サービスを使う場合は、楽曲の著作権を一定期間TuneCore Japanへ譲渡する仕組みです。その代わりに放送やカラオケなどの著作使用料まで回収の対象が広がります。権利を手元に置いたままにするか、預けて回収範囲を広げるかを選べる構成になっています。独占・非独占の別は、今回確認した範囲では条文を読み取れませんでした。参照:利用規約/AIを使用したリリースに関するガイドライン/著作権管理サービス
BIG UP!

公式サイト:https://big-up.style/
エイベックスが運営していて、無料プランがあるのが特徴です。有料はシングル年500円、EP年1,500円、アルバム年3,990円。この価格帯は国内では安いほうに入ります。
有料から無料プランへ移行すれば、配信は継続できます。原則として満了の30日前までに申し出が必要で、決済ができなくなった場合は自動的に無料へ移行する仕組みです。ただし移行後は無料プランの還元率が適用されるので、収益が出ている曲を放置すると手取りが減ります。手数料は配信規約の第8条にあり、ベーシックプランは全配信形態で手数料なし、フリープランは国内アラカルト17%・サブスクリプション等30%です。
AI生成楽曲の受付可否は、今回確認した公開情報では断定できませんでした。
権利:14社のなかで、権利の条件がいちばん具体的に読めるのがここです。配信規約の第15条で、創作原盤の著作隣接権は「会員又は会員の指定する者に帰属」と定められています。BIG UP!側の利用は配信代行に必要な行為と、宣伝・利用促進の目的に限られる。許諾の範囲が目的で区切られている書き方です。第19条では、第三者が権利を持つ素材を使う場合、会員が事前に譲渡や利用許諾を得ておく必要があると定めています。AI楽曲で学習元や素材の権利が不明なまま出す、という使い方は想定されていません。参照:配信サービス利用規約
narasu

公式サイト:https://narasu.jp/
月110円という価格がまず目を引きます。買い切りも選べて、シングル2,860円、アルバム5,500円。配信規定には「契約プランに関係なく、90%還元いたします」と明記されていて、YouTubeマネタイズサービスだけは80%還元です。
月額プランは月15曲までで、最低契約期間が1年あります。ここが効いてきて、契約1年未満で解約すると1,320円かかる。月110円という数字だけ見て気軽に始めると、途中でやめるときに引っかかります。
月額を解約すると、そのプランに登録した楽曲は配信停止になります。買い切りプランへ変更したい場合は、そのまま移せるわけではなく再登録が必要です。買い切りのほうは年更新が要りません。
権利:権利の帰属、許諾の範囲、独占・非独占の別のいずれについても、配信規定にも利用規約にも記載が見当たりませんでした。利用規約の第5条はアップロード者が著作権を保有していることを前提に書かれていますが、契約が終わったあと権利がどうなるかまでは踏み込んでいません。AI生成楽曲の可否も同様に公開されていません。参照:配信規定
FRIENDSHIP.

公式サイト:https://friendship.mu/
ここまでの3社とは料金の考え方が違います。固定の利用料がなく、収益から15%の手数料を引く形です。還元率でいえば85%。振込は原則3か月ごとです。
キュレーターによる審査があり、通れば配信だけでなくプロモーション支援も受けられます。年額を払って自分で出す、というサブスク型のサービスではありません。
権利:Q&Aで読み取れるのは、著作権管理を希望楽曲のみ登録できること、そしてサンプリングやカバーには原著作権者の許諾が必須だと明記されていることの2点です。原盤権をどちらが持つのか、独占なのか非独占なのか、他社から同じ音源を出せるのかについては記載がありません。AI生成楽曲の扱いも公開されていないため、審査に出す前に問い合わせる前提になります。参照:Q&A
KARENT

公式サイト:https://karent.jp/
クリプトン・フューチャー・メディアが運営する、ボーカロイド楽曲専門のレーベルです。一般的な月額配信サービスではないので、比較の軸も変わります。
参加条件や契約条件によって料金も還元率も決まるため、ここでは要確認としか書けません。確認すべきなのは月額の有無ではなく、レーベル契約の終了条件のほうです。
権利:権利の帰属、許諾の範囲、独占・非独占のいずれについても、公開ページに記載を確認できませんでした。原盤権をレーベル側が持つのかどうかを書いた公式ページも見つかりません。レーベル契約である以上、条件は個別に提示されるものと考えられます。参照:KARENT公式サイト
ZULA

公式サイト:https://zula.jp/
プロ・レーベル向けで、料金は個別相談。配信管理に加えて、宣伝やYouTubeの収益化、出版管理まで支援する構成です。個人がAI楽曲を数曲出したい、という用途とは前提が違います。
権利:サービスページにはメニューの説明があるだけで、権利の帰属、許諾の範囲、独占・非独占のいずれも記載されていません。YouTube収益化や出版管理まで扱う構成なので、著作権の管理を委ねる範囲は契約ごとに変わると考えられます。AI生成楽曲の受付可否も公開されていません。参照:サービス概要
海外サービス8選
SoundOnとThe Orchardは、日本語対応や日本拠点の有無とは別に、海外発のサービスとして分類しています。円換算やクレジットカードの為替手数料、税の扱いで表示額との差が出る点は共通です。
DistroKid

公式サイト:https://distrokid.com/
年US$24.99から。リリース数は無制限で、最安プランは1名義です。収益はストアから受け取った金額の100%が支払われ、そこから決済手数料と、機械的複製権ライセンスやYouTube Content IDといった任意サービスの費用が引かれます。
AI生成楽曲については、条件付きで受け付けるという方針が公開されています。条件は4つ。配信に必要な権利を持っていること、無断で他人の声や人物を模倣しないこと、権利を侵害しないこと、大量生成によるスパムをしないこと。ツールでAIを使ったかどうかそのものを問題にする書き方ではありません。
解約すると通常は配信が停止します。残したい場合は、作品ごとにLeave a Legacyを追加する。シングルでUS$29、2曲以上のアルバムでUS$49の買い切りです。
権利:条件がいちばんはっきりしています。配信契約に「The rights granted by you to DistroKid are non-exclusive.」とあり、非独占です。権利の帰属は「DISTROKID DOESN’T TAKE ANY COPYRIGHT OR OTHER INTEREST IN ANY OF YOUR MUSIC, ONLY A LIMITED LICENSE TO DISTRIBUTE.」と大文字で書かれていて、渡すのは配信のための限定的な許諾だけです。契約は1年ごとの自動更新。ひとつ注意があって、同じ音源をDistroKidと別のサービスの両方から同じストアへ送ると、二重登録で問題が起きうると明記されています。参照:Distribution Agreement/Ownership of Your Music
CD Baby

公式サイト:https://cdbaby.com/
買い切りで、シングルUS$9.99、アルバムUS$14.99。年会費という概念がなく、一度払えば更新は不要です。配信を長く置いておく目的なら、条件はここがいちばん素直で、更新を忘れて曲が消える事故が起きません。還元率はDigital Distribution Addendumに「91% of the net wholesale price actually received by us」と定められています。
ただしAI生成コンテンツは受け付けません。公式ヘルプに、商用利用許諾があっても不可、録音の一部だけがAI生成の場合も不可と明記されています。ボーカルだけ生成AIで伴奏は自分で演奏、という作り方も対象に入る書き方です。買い切りの安さで候補に挙がりやすいサービスですが、AI楽曲を出す前提なら最初から外れます。
権利:ここは独占性の扱いが他社と違うので、AI楽曲を出さない人も読んでおく価値があります。Digital Distribution Addendumには「While selling Your Content on the Website is nonexclusive…the rights granted by you to us under this Digital Distribution Addendum are exclusive with respect to serving as your authorized representative for distributing Your Content to third party distributors.」とあり、第三者ストアへ配信する代理人としての権利は独占です。自社サイトでの販売は非独占でも、配信代行としては他社と併用できない読み方になります。許諾の範囲も広く、ストリーミング、ダウンロード、着信音、二次的著作物の作成、そして多段階のサブライセンスまで含む構成です。録音の所有権そのものについては明記がなく、CD Babyは流通の代理人として振る舞う書き方になっています。同期利用などを自分で進めたい場合は、配信設定で用途を絞れる旨も書かれています。参照:Digital Distribution Addendum/Legal Agreements and Addenda
Amuse

公式サイト:https://www.amuse.io/
年US$23.99から。無制限で、最安プランは1名義。YouTube Content IDについては、上位プラン以外に15%のコミッションが設定されています。
AI生成楽曲は条件付きで受付。ただし配信先に制限があり、Qobuz、Meta、YouTube Content IDなどは対象外です。著名アーティストの模倣やAIカバーは不可と明記されています。
解約後の条件が、この14社のなかでは独特です。既存曲の配信は続きますが、収益手数料が25%に変わり、新規の配信はできなくなり、YouTube Content IDの収益化は解除されます。曲は残るけれど、手取りが4分の3になる仕組みです。DistroKidのLeave a Legacyが作品ごとの前払いなのに対して、Amuseは後払いで払い続ける形になります。どちらが安いかは、その曲がどれだけ再生されるかで逆転します。再生数の見通しが立たないうちは、私なら金額が確定しているほうを選びます。
権利:利用規約は「you grant to us the following non-exclusive rights (or exclusive rights solely as necessary to comply with any Store’s or third party’s guidelines」という書き方で、原則は非独占、ストア側の規定に従うために必要な範囲だけ独占になる構成です。所有権については「Nothing shall be interpreted so as to constitute any transfer of ownership to Amuse.」と明記されていて、権利の移転は起きません。許諾はロイヤリティフリーのライセンスとして渡す形です。参照:Terms of Use/解約した場合の扱い
SoundOn

公式サイト:https://www.soundon.global/
TikTokが運営していて、日本語サイトがあります。無料のLiteと、年US$30相当のCore。Coreは2名義まで、リリース数は無制限。無料で始められて日本語で使える、という点では入口が広いサービスです。還元率はLiteが90%、Coreが100%。
一方で、有料を解約したあとに自動でLiteへ移行するのか、既存曲がどう扱われるのかは、今回の確認では分かりませんでした。無料プランが存在することだけを根拠に「解約しても残る」とは書けません。AI生成楽曲の受付可否も、公開情報からは断定できませんでした。
権利:利用規約は公開されていますが、権利の帰属、許諾の範囲、独占・非独占の別のいずれについても、今回の確認では条文を読み取れませんでした。TikTokが運営している以上、TikTok本体で楽曲がどう使われるか、その許諾がどこまで含まれるかも論点になります。契約前に確認しておきたい部分です。参照:Terms of Service
RouteNote

公式サイト:https://routenote.com/
無料のFreeプランと有料のPremiumプランがあり、作品ごとにどちらかを選べます。Premiumは初年度がシングルUS$10、EP US$20、アルバムUS$30から。翌年以降は1作品あたり年US$9.99です。還元率はFreeが85%、Premiumが100%。
Premiumを更新しなかった場合、Freeへ移行して配信は続きます。配信契約そのものが終わるわけではありません。年額を払いたくなくなったときの逃げ道が最初から用意されている、という点で条件は素直です。
AI生成楽曲は一部受付。Amazon、韓国の提携ストア、Content Recognitionの対象には配信できません。加えて、生成元の確認や追加の審査が入ります。
権利:どちらのプランでも権利は100%保持と案内されています。独占性については公式ブログが明快で、レーベル契約の妨げになるかという問いに「No.」と答え、「RouteNote will never prevent you from doing anything you want with your music.」と書いています。ただし同じページに現実的な注意も添えられていて、同一の作品を2つのディストリビューターから同じストアへ出すと、ストア側がどちらが正当かを判断できず作品ごと取り下げることがある、としています。契約上は自由でも、運用上は1作品1社が前提です。参照:Is my Agreement and Relationship with RouteNote Exclusive?/Terms and Conditions
Ditto Music

公式サイト:https://dittomusic.com/en
年US$19からで、この14社のなかでは年額がいちばん安い部類です。無制限、最安プランは1名義で、還元率は100%。
AI生成楽曲は条件付きで受付。権利の保有、無断の声模倣や大量スパムの禁止が条件です。加えて、完全なAI生成はApple Musicなど一部ストア側で拒否される可能性があると案内されています。ディストリビューターが通してもストアで止まる、という二段構えの審査があります。
解約後は通常、配信が停止する可能性があります。Release Protectionが付くProとLabelプランが例外という構成です。
権利:権利についてはサポート記事に「when you release with Ditto, you keep 100% ownership and all of the rights to your music.」とあり、規約側でも「The Artist will hold copyright at all times.」と明記されています。Dittoが受け取るのは「a non-exclusive world-wide licence to use, reproduce, distribute, display, publicly perform, exhibit, broadcast」で、非独占です。もうひとつ、収益の引き出しに有効な有料契約が必要だと案内されています。権利は手元に残るのに、その権利から生まれたお金は契約が切れると動かせない。年額の安さだけで選ぶと、ここで詰まります。参照:Who owns the rights to my music/有料契約と出金/Terms & Conditions
LANDR

公式サイト:https://www.landr.com/en/digital-distribution/
Basicが年US$24、Proが年US$45。通常楽曲のリリースは無制限ですが、AI生成曲は月30曲までという上限があります。AI生成楽曲の扱いを、月あたりの本数という形で明示している珍しいサービスです。AIを使ったことの申告が必要で、AIカバーは不可。TikTok、Meta、YouTube Content IDなどは対象外になります。契約中の還元率は100%です。
解約後も配信は継続できますが、維持手数料がかかります。ここが調べていていちばん厄介でした。2026年7月更新の公式ヘルプには「月間配信収益の15%または月US$4のうち高い方」と書かれている一方、別の一般説明ページには15%とだけ書かれている。同じ会社の公式ページ2枚で金額が食い違っています。この記事では一本化せず、両方を書いたまま残します。収益が小さいうちは、15%よりUS$4の下限のほうが効きます。
権利:権利についてサポートページが「you keep 100% of your ownership rights」と書いたうえで、「LANDR does not own composition rights to your music, which means you are free to license your music and collect publishing royalties as you normally would.」と続けています。楽曲を映像や広告へライセンスして別途収益を得ることは、LANDR側で妨げない形です。同期利用まで視野に入れるなら、この一文は確認しておく価値があります。参照:Do I keep the rights to my music?/Fair Trade AI Program/Terms of Service
The Orchard

公式サイト:https://www.theorchard.com/jp/
ソニー傘下の流通会社で、日本拠点があります。個別契約なので、料金も還元率も交渉次第です。アーティスト・レーベル向けの流通と活動支援が本体で、契約期間、独占性の有無、終了後の配信や精算の条件が中心の論点になります。
権利:権利の帰属も許諾の範囲も公開されていません。独占契約になるかどうかも含めて、提示される契約書を読む以外に確認手段がない構成です。AI生成楽曲の受付についても、公開情報からは読み取れませんでした。参照:Help Center
権利の扱いで見ると、14社は4つに分かれる
各社を読み比べて浮かんだ違いを整理します。
条文で確認できる社。DistroKid、CD Baby、Amuse、BIG UP!、RouteNote、LANDR、Ditto Musicは、権利の帰属と独占性が契約文書や公式ヘルプに書かれていて、契約前に読めます。トラブルになったとき、根拠として示せる文章があるという意味でもあります。
帰属だけ明らかな社。TuneCore Japanは権利を100%保持すると明記したうえで、著作権管理サービスを使う場合は著作権を一定期間譲渡する、という例外まで公開しています。一方で独占・非独占の別は、今回確認した範囲では読み取れませんでした。
金額だけ公開している社。narasu、SoundOn、FRIENDSHIP.は、還元率や手数料は明快な一方、権利の帰属も許諾の範囲も独占性も、公開情報からは読み取れませんでした。
個別契約の社。KARENT、ZULA、The Orchardは、権利の条件が公開されていません。提示される契約書がすべてになります。
そして、独占性の書き方でひとつだけ他社と違うのがCD Babyです。第三者ストアへの配信代理としては独占だと明記しています。他社と併用する前提で考えているなら、ここは事前に読んでおく箇所になります。
解約後の分類について
解約後の型は3つに分かれます。
- 止まる型:TuneCore JapanのUnlimited、narasuの月額。更新や契約をやめた時点で配信が停止します。
- 還元率が下がって残る型:RouteNoteのFree移行(85%)、BIG UP!の無料移行(国内サブスクで30%の手数料)、Amuseの解約後(手数料25%)。
- 追加費用で残す型:DistroKidのLeave a Legacy(シングルUS$29/アルバムUS$49)、LANDRの維持手数料、Ditto MusicのRelease Protection付きプラン。
選ぶ順番について
順番を決めておくと、料金ページで迷う時間が減ります。
- 先にAI受付条件を見る。CD Babyは不可、TuneCore Japanは100%AI生成が対象外、LANDRは月30曲まで。ここで候補が絞れます。
- 次に、権利の条件を読む。誰が権利を持つか、どこまで許諾を渡すか、独占か非独占か。条文が公開されていない社は、契約書を見るまで判断を保留する。
- 配信を何年置きたいかを決める。数年で畳むつもりなら年額型で構いません。長く置くなら、解約後の条件が主役になります。
- 年額ではなく、解約後に発生する費用まで足して比べる。Amuseの25%、LANDRの維持手数料、DistroKidのLeave a Legacy、Ditto Musicの出金条件。
AI生成曲に限っていえば、公式方針を明文化している7社――TuneCore Japan、DistroKid、CD Baby、Amuse、RouteNote、Ditto Music、LANDR――のなかから選ぶのがいちばん事故が少ないです。
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